私の理想のアセットアロケーションをどう実現するかを考えてみました。
Sequence of return riskとバケツ戦略
もし株式などから得られる収入だけで生活しようとするならば、Sequence of return risk (SSR)を考えないわけにはいきません。Sequence of return riskについては以下のエントリで書きました。
上の記事にはYield shield / Cash cushionという概念が登場しますが、これの言い換えとしてバケツ戦略(Bucket strategy)という戦略があります。
この戦略では、資産を複数の「バケツ」に分け、それぞれのバケツに異なる投資期間とリスクレベルを設定します。具体的には、短期、中期、長期の3つのバケツに資産を振り分けることで、市場の変動に対するリスクを分散し、安定した資金フローを確保する、というものです。
3つのバケツの概要
3つのバケツは以下のようなものになります。
- 短期バケツ:
- 目的:すぐに必要となる生活費をカバーする
- 期間:1-3年分の生活費
- 資産:現金、短期債券、MMF
- リスク:非常に低くあるべき
- 中期バケツ:
- 目的:数年以内に必要になる資金を準備する
- 期間:3-10年分の生活費
- 資産:中期債券、バランス型ファンド
- リスク:中程度
- 長期バケツ:
運用方法とリバランス
運用方法についてですが、まず日々の出費は短期バケツの資産から充当します。必要に応じて中期バケツや長期バケツの資産を売却して補填します。定期的に各バケツのバランスを確認し、リバランスを行います。
これにより、各バケツが設定したリスクと期間の範囲内で運用され続けることになります。
私のアプローチ
私がバケツ戦略を採用するとすれば、以下のようなものになるかと思います。
- 短期バケツ
- 大きさ:生活費2年分
- 具体的アセット:銀行預金、日本円定期預金
- 中期バケツ:
- 大きさ:生活費5年分
- 具体的アセット:BND
- 長期バケツ:
例えば毎月60万円必要である場合、
- 短期バケツに1440万円の現金
- 中期バケツに3600万円相当の債券
- 長期バケツに残りの株もしくは投資信託
という感じです。
短期バケツに中・長期バケツから得られたリターンを補充し、中期バケツと長期バケツの間でのリバランスを行うことで取るリスクを一定に保つことができます。結果として、Yield shield / Cash cushionと同じ目的が達成できることになります。自分はバケツ戦略とYield shield / Cash cushionは基本的には同じだと理解しています。
理想的には持つ銘柄はVTI, BND, オルカンぐらいに集約出来ると美しいですね。
目標にアセットアロケーションを近づけていく
当面の私のゴールは1.8億なので、1.8億円を達成したときに短期・中期バケツが完成していることを目指します。これを実現するため、今後債券の割合を少しづつ増やしていきます。具体的には下のグラフのような感じになります。
計画上は1.8億円に到達したタイミングでは債券+現金が約25%, 株式が約75%程度の比率になり、その後は短期・中期バケツの大きさが変わらないようにリバランスしていくので株式の割合が再び上がっていくことになります。
私のプランでは伝統的な株式:債券=6:4のアセットアロケーションと比較して、株式の比率が大きすぎるように見えるかもしれません。これは想定するDrawdown(暴落)の期間をどれぐらい取るか、ということで調整すればいいと思います。株式:無リスク資産=8:2の場合、ここ30年で最長のDrawdownの期間は59ヶ月(ITバブル崩壊時)です。したがって、7年分の短期・中期バケツを確保できていれば十分だと自分には思えるのですが、ここは想定するリスクをどのように取るかで適宜調整すればよいと思います。
www.lazyportfolioetf.com ↑ 株式:債券=8:2 ポートフォリオの詳細はこちら
加えて当然想定されるのは為替リスクです。私は長期的には円安だと考えているのですが、中期バケツはもしかしたら為替に対して何かしらヘッジを入れたほうがいいかもしれません。ここは今後の検討対象にしようと思います。