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米国株インデックス投資をただ続けるブログ

自分の弱さ・不完全さを受け入れること - サイコロジー・オブ・マネー

サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット を読みました。評判通りの良い本でした。

FIRE(早期リタイア)を目指す人 投資で資産を築きたい人 不安のない老後を過ごしたい人など 全世代必読の世界的ベストセラー、ついに上陸!

あなたのお金、投資、ビジネスにおける判断は、 個人の経験や独自の世界観、 エゴ、プライド、マーケティング、 奇妙なインセンティブなどに影響されています。

本書は、19のストーリーからその事実を知り、 富を築けない「貧乏マインド」から 抜け出すための一冊です。

・「目的のない貯金」ほど、価値が高い ・人の投資判断は、「いつ、どこで生まれたか」に影響される ・“十分な量"の資産を築くためのシンプルな方法 ・ウォーレン・バフェットの純資産の95%以上は、65歳以降に得たもの ・投資の成否を決めるのは「全体の1%以下」の行動……

など、私たちのお金、投資、ビジネスとの付き合い方を

根本から変える一冊です。

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投資はメンタルのゲーム

インデックス投資はやること自体はシンプルです。

  • なるだけ入金力を高め
  • 全世界とか全米の指数に連動する投資信託 or ETFを買い
  • 長期にわたって持ち続ける(売らない)

これだけなのですが、実行するのは結構難しいと思います。余計なことをしない、というのが人には意外と難しくて、それは私達が日々の誘惑に惑わされがちだからです。

米国株だったらVTIとかVOOを買って放置しておけば良いものを、いろんなものから影響を受けてポートフォリオを弄って結局損してしまったりします。

この本は一般に言われるアセットアロケーションだとか、どの銘柄を買うかとか言うことよりも(もちろんこれらは重要なのですが)自分のメンタルをいかに保つのが重要かを再認識させてくれます。

運とリスクについて

運とリスクはきょうだいだ。どちらも、「人生は個人の努力を超えた大きな力に左右される」という現実を示している。

人は自分の努力によって今持っているもの(お金、地位)を得たと錯覚しがちですが、実際は運が大半を占めていると自分も思います。うまくいったときは謙虚に、そうでないときはあまりきにせずに次に進めばいいんだと思います。

失敗にうまく対処するコツは、1度や2度、投資に失敗したり、経済的な目標を達成できなかったりしたとしても、自信を失わないようにすることだ。必ずいつかは偶然が自分にとって良い方向に働くときが来ると信じながら、プレイし続けるのだ。

プレイしつづけるためには、失敗すると次がないようなギャンブルはするべきではないですね。

僕は 30 年間、この仕事に打ち込んできた。うまくいくプロジェクトもあれば、そうでないプロジェクトもあった。でも、どちらにも引きずられる必要はない。また次の仕事に取り掛かればいいだけだ——ブラッド・ピット(映画俳優組合賞の受賞スピーチ)

本当にこの通り。

合理性について

合理的な投資家は、理詰めで考えれば欠点があるような戦略を好む。そのため、困難な状況でもその戦略を簡単には放り出さない。それが結果的に、長い目で見れば優位に立てるのである。

ここは個人的には刺さるポイントで、論理的に正しい戦略を取ろうと思う投資家は多いと思うのですが、その戦略を長期間実行できるか、のほうが論理より重要だったりするんですよね。

例えばある銘柄Aのほうが銘柄Bよりリスク・リターンが多少劣っていても、銘柄Aに特別な思い入れがあれば長期にわたってホールドできる可能性が高く、リターンも結果として高くなる場合もあるでしょう。自分のメンタルも戦略の中にきちんと織り込む必要があるということですね。

悲観論について

悲観論は、楽観論よりも賢く、もっともらしく聞こえる。誰かに「すべてがうまくいく」と言えば、その人はあなたを一笑に付すか、懐疑的な目を向けてくるだろう。だが、誰かに危険が迫っていると言えば、その人はあなたの言葉に細心の注意を払おうとするはずだ。

自分が悲観的になっているときは、他人から賢く見られたいがためでないかという視点を持つべきだと考えるようになりました。今年のように上げが大きい相場のとき、このバイアスのせいで上げ幅を取り損ねたりするのはありそうです。

自分の弱さ・不完全さを受け入れる

論理的に正しい戦略は重要です。ですが、戦略を本当に実行できるかは自分のメンタル次第です。実行できない100点の戦略より、自分が実行可能な95点、90点の戦略のほうが長期的には成功する可能性は高い。自分が弱さ、不完全さを受け入れ、自分とうまく付き合っていくことが長期投資では重要であることを改めて思わされた一冊でした。