ちょっと前にマルキール・エリス「投資の大原則」を読みました。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」のマルキールと、「敗者のゲーム」のエリスの2大巨頭の共著ということで興味を惹かれ手に取ってみました。
この2冊は名著であることは間違いないのですが、多少冗長な記述が多い(同じことを何度も説明している)傾向があるように思えます。それに対してこちらの本は投資の初心者向けに書かれているというだけのことはあり、2−3時間程度で読める分量に投資のエッセンスがまとめられているような本です。
もし投資の本で最初に読む本を勧められたなら、自分はこの本か「Just Keep Buying」を勧めるかな、と思います。
言われていることは皆さんご存知の
- 長期(ドルコスト平均法)
- 分散
- 低コスト
- リバランス
の重要性を説く、といった内容です。インデックス投資投資に取り組まれている皆様なら当然理解されている内容だと思いますが、改めて復習するにもいい本だと思います。
インデックス投資の伝道師が個別株もやっていた件
個人的なハイライトとしては、インデックス投資の伝道師たるこの二人が実は個別株もやっていることを告白する下りでした。
完全な人間などいない。私たちも例外ではない。私たちのうちの1人は、ある1つの銘柄に入れ込んでいる──ユニークな会社で、バークシャー・ハサウェイというのだが。35年もの間、この株を持っているが、売る気は今もない。これだけでもあまり賢いやり方とは思えないが、彼は毎日その会社の株価をチェックする! もちろん、馬鹿げているが──馬鹿げていることは自分でもわかっている。しかし、やめられない。 もう1人は中国の個別銘柄に投資し、中国に入れ込んでいる。成長株となりそうなものを選び、将来孫たちに中国投資のどでかい話ができると信じている。ただ、これだけは言っておきたい。私たち2人とも退職資金は安全なインデックス・ファンドで運用している。私たちの子供たちもインデックス・ファンドで運用している!
バートン・マルキール; チャールズ・エリス. 投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント (日本経済新聞出版) (Japanese Edition) . 株式会社 日本経済新聞出版社. Kindle Edition.
ここ面白いですよね。二人も欲のある普通の人間なのだということを思わせるエピソードでした。
実際、投資は自分の弱さや不完全さと付き合っていく側面が多分にあるので、リスクに見合う範囲で(遊びのつもりで)個別株投資をするのは別にいいんじゃないかと自分は思います。
GW中にサクッと読んでみるのもいいのではないでしょうか。